不二家よ永遠にの巻。

　洋菓子の不二家の業績が思わしくない様です。不二家と言えば、子供の頃大阪ミナミの心斎橋筋の不二家に連れてってもらうってのは、一代イベントだったんですが。

私ら世代の子供の頃は、ケーキなんてのは誕生日とクリスマスにしか食べさせて貰えない貴重品でした。それも何時もはケーキなんて置いてない近所のお菓子屋に何日も前に注文して、やって来るのはパサパサのスポンジとくそ不味いバタークリームのケーキでしたね。クリームの上には正体不明の銀玉鉄砲の弾丸みたいな、食べられない飾りまで有りましたし。

それがあ～た、初めて不二家で食べた苺のショートケーキの美味しかった事。初めての生クリーム、ふわふわのスポンジ、スポンジの間にも苺が入ってて、夢の様でしたね。思い出すだけでウットリしてしまいます。

記憶が曖昧ですが、確か不二家の２階がパーラーで３階がレストランだったと思います。レストランで食べたフカヒレスープの美味しさも衝撃でしたね。子供なんで何が入ってるのか判らず、後でフカヒレすなわち鮫の鰭だと聞いて驚いたもんです。子供にとって不二家ってリアルなお菓子の家でしたね。 店頭のペコちゃんも季節や行事によって着せ替えて貰ってました。 七五三にはミルキーの千歳飴が、近所の子供には羨望の的に見られましたし、ノースキャロライナ、Lookチョコレート、パラソルチョコレート、ホームパイ、近所の駄菓子屋のお菓子とは石炭とダイヤモンド位の差が有りましたね。

その不二家がピンチだなんて、とても寂しい気がしてなりません。一時はフランチャイズチェーンみたいなお店があちこちに有ったんですが、当地のお店はもう何年も前になくなっちゃいました。コンビニスイーツが全盛で、洋菓子屋さんのケーキは売れないって言われてますが、あの心斎橋の不二家が永遠で有ります様に願わずには居られません。さて、今日の一句。

　　　　　　　　　　　蜻蛉や　夢は朝には　消え去りて

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