一丁、20数円の豆腐に想うの巻。

 昨日は、大好物のお赤飯の日だったんですが、私のもう一つの好物(正確にはまだ有るんですけど)豆腐が御座います。出来れば木綿豆腐ね。

我が家の近くには、もう豆腐屋さんなる物が御座いません。探せば有るのかもしれませんが、豆腐はスーパーで買う物になっております。

よく利用する某スーパーでは、豆腐一丁がナンと20数円で売られています。ハッキリ言って見かけは豆腐ですが、只の白くて柔らかい別の物体です。大豆の風味なんてものは何処へ置き忘れちゃったんだろうと考えこんで仕舞います。

街中ではまだまだちゃんとした豆腐を作っている豆腐屋さんも残っているんですが、少し郊外へ行けば豆腐屋さんと言う商売は難しいんでしょうね。

それは、大豆を作っている農家の方も同じなんでしょう。国内消費の殆どの大豆が輸入され、もう大豆を作るより他の付加価値の有る作物を作った方が良いんでしょう。

一丁が20数円で売られてるなんて、農家も豆腐屋さんもやってらんないのも無理は御座いません。

今から二百数十年前の江戸期には、豆腐百珍という本が出版された位、豆腐って色んなアレンジが出来る食材なんですね。夏には薬味を効かせた冷奴、冬には湯豆腐、そして鍋物には欠かせない名脇役。中華料理にも存在感を示します。主役として出しゃばらず、脇役として欠かせない、場面に合わせてどんなアレンジにも応える。決して不平不満を述べず、黙々と自分の役割をこなしていく、そんな豆腐の様な人に私はなりたい!

私の持論では、住みやすい街と言うのは、美味しい豆腐屋さんと蕎麦屋さん・古い定食屋さんが有り、尚且つ古本屋さんが存在するのが人が生活していくのに最も適した街だと思うんであります。如何なもんでしょうね。さて、今日の一句。

             湯豆腐や 酒場の窓も くもりけり

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