古本屋は損しない?の巻。

 市会での一コマ。ベテランの古書店主は、若い古書店主、特に新人に向けて「今は本が安く買えるから、なんぼでも買っとき。少々思い切った札を入れても損せえへんから。」なんて言ってるのをよく耳にします。

損せえへんって?!損せえへんかったら今頃は、古本屋が長者番付に名前を連ねてるでしょうに。

売れる本は、何処の市会でも高値ですし、お客様から買取する時も買いたたくなんて事は出来ません。安いのは売れない本もしくは売れにくい本ですって。

そもそも古本屋ってのは、売れる本を仕入れたがるのは当たり前なんですが、売れる売れないよりも自分が良い本だと思えば、幾らでも買いたくなります。恋は盲目って言うでしょ。

普通、商売はあくまでも売れる事や売り先の事を考えて仕入れをしますが、古本屋のオヤジは(冷静な人もいますが)思い入れが有ると後先の事なんて考えず本を買って仕舞います。少しの差で落札出来なかったりすると、何時までもクヨクヨしたりします。

当然、売れる量より買う量の方が多くなります。そして倉庫や家中に本が溢れ、トンデモナイ事になっております。はぁ~、何とかならんかなぁ~。さて、今日の一句。

             小糠雨 日和選ばず 鴨は引き

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