GGG陥落の巻。

 WBC&WBAスーパー世界ミドル級タイトルマッチ 12回戦
  同級1位・サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ) 2-0 王者・ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン) 
   ※115-113 、114-114、115-113

 本年度最高のメガファイトだったんですが、私的には少々疑問の残る試合でしたね。そもそもカネロはドーピングで6カ月(8月17日まで)の資格停止処分を受けてたんですし、薬の影響は完全に抜けているんだかどうだか? 兎に角、莫大な金額が動くんでビジネス優先で試合を組んだんでしょうね。

アメリカではヒスパニック系が多いんで、メキシコのカネロは色んな意味で優遇されてるんでしょう。

試合の方は、予想に反して1ラウンド目からカネロがどんどん前に出てゴロフキンに圧力をかけて行きます。前回の様に下がってはゴロフキンのパンチ力をしのぎ切れないとの思惑が有ったんでしょう。前半はカネロの方が多彩なパンチでゴロフキンを圧倒してました。どうしてゴロフキンはボディを打たないのか不思議でしたけどね。

中盤でのゴロフキンの不安げな表情を初めて見ました。それでも終盤にかけて盛り返し、逆にカネロを下がらせて的確なパンチをヒットさせて行きます。カネロも打ち返しますが、序盤の様に的確さは無くなり動きも重くなった様に思えたんですが、ゴロフキンは序盤から貰ったボデイが影響して、腰が引け気味のパンチが多くショットに何時もの様な切れが感じられません。それでもポイントは取ったはずだったんですが。僅差でカネロがベルトを手に入れました。

結果はどちらに行ってもおかしくない様な激闘だったんですが、カネロが全戦の教訓を生かし切った試合運びで勝利した事は間違いありません。「私の明白な勝利だ」とインタビューでは答えていましたが、疑惑の目は完全に消えた訳では御座いません。

一方のゴロフキンですが、今回の敗戦で力の衰えが明白になりもうこれ以上の上がり目は無いでしょう。インタビューを受けずに早々にリングを去ったのを見ても、ショックの大きさとゴロフキン時代の終焉を感じさせられました。

また、カネロの勝利により村田諒太のビッグマッチへの道は遠のいてしまいました。ミドル級戦線には、ネームバリューの高い挑戦者が沢山存在しているの現状です。村田諒太がプロモーターを納得させる試合を続けて行かなければチャンスは無いでしょう。さて、今日の一句。

            鮎落ちて 川原は白き 月明かり

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