ダイヤモンドに目が眩みの巻。

 今日、10月30日は明治の作家「尾崎紅葉」の忌日十千萬堂忌で御座います。紅葉と言えば「金色夜叉」なんですが、この作品は紅葉がアメリカの小説家パーサ・M・クレイ「女より弱きもの」の翻案であることが判明しております。

熱海の海岸で間貫一がお宮を蹴り飛ばすシーンが有名で、実際に熱海の海岸には貫一・お宮の像やお宮の松ってのも有ります。まぁ、あたかも実在した人物の様に感じて仕舞いますが、あくまでも小説の登場人物なんですけどね。

その際のセリフも「来年の今月今夜のこの月を僕の涙で曇らせてみせる」と言うのが映画や芝居での決まり文句ですが、小説には「ああ、宮(みい)さんこうして二人が一処に居るのも今夜ぎりだ。お前が僕の介抱をしてくれるのも今夜ぎり、僕がお前に物を言ふのも今夜ぎりだよ。一月の十七日、宮さん、善く覚えてお置き。来年の今月今夜は、貫一は何処でこの月を見るのだか! 再来年の今月今夜……十年後の今月今夜……一生を通して僕は今月今夜を忘れん、忘れるものか、死んでも僕は忘れんよ! 可いか、宮さん、一月の十七日だ。来年の今月今夜になつたならば、僕の涙で必ず月は曇らして見せるから、月が……月が……月が……曇つたらば、宮さん、貫一は何処かでお前を恨んで、今夜のように泣いていると思ってくれ」と長ったらしいセリフなんです。現代なら未練たらしい男って一番嫌われるタイプでしょうね。

紅葉が無くなり前編・中編・後編・続・続々・新続と6編からなる作品だったんですが紅葉の死により未完で終わっております。後に門下生の小栗風葉が終編金色夜叉を書き次いだんですが、古本屋仲間にも全部読んだって人は聞いた事が御座いません。

作品的には、通俗小説の極みって処なんですが、1912年に初めて映画化されその後1954年までに二十数回も映画化されてるのには驚きます。さて、今日の一句。

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